腹腔鏡手術は、その真価を発揮するために、施設の設備と技術が整っていることが大前提となります。当院では、動物と飼い主様に安心して手術を受けていただけるよう、信頼性の高い機器をそろえています。
硬性鏡システム(ドイツ・ストルツ社)
お腹の中を映し出すカメラには、ドイツ・ストルツ(KARL STORZ)社の硬性鏡システムを使用しています。フルデジタル・ハイビジョンの鮮明な映像で、肉眼では見えにくい小さな血管や組織まで拡大して確認できます。これにより、繊細で精度の高い操作が可能になります。
シーリングシステム「ケイマン(Caiman)」(エースクラップ社)
手術中に血管を処理する器具には、エースクラップ(Aesculap)社のシーリングシステム「ケイマン(Caiman)」を使用しています。この器具は、血管を熱で確実に閉じながら切ることができるため、出血を抑えた安全な手術につながります。
糸を残さない手術
ケイマンのようなシーリングデバイスを使うことで、体の中に糸(縫合糸)をできるだけ残さずに手術を行えます。これは見た目の問題だけではありません。体内に残った糸が原因となって、まれに「異物反応性肉芽腫」という炎症のかたまりができることがあります。これはミニチュア・ダックスフンドで報告が多く、チワワ・トイプードル・マルチーズ・シーズーなどでも知られています。糸を残さない手術は、こうしたトラブルを避けることにもつながります。
一貫したモニタリング体制
手術中は、専用の機器で呼吸・心拍・血中酸素飽和度などを継続的にモニターしながら、全身状態を管理します。手術そのものの精度だけでなく、麻酔と全身管理の安全性も大切にしています。
SUPERVISED BY / 監修
このページは、南大沢どうぶつ病院 院長・獣医師 保坂 創史(日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種)が監修しています。2009年より腹腔鏡手術に取り組んでいます。
最終更新日:2026-06-25