「愛猫がFIP(猫伝染性腹膜炎)と診断された」。その言葉を聞いて、目の前が真っ暗になってしまう飼い主様は少なくありません。FIPは少し前まで、診断がそのまま余命宣告に近い意味を持つ、とても厳しい病気とされてきました。
けれども今、その常識は大きく変わってきています。ウイルスそのものの増殖を抑える抗ウイルス薬が使えるようになり、正しい診断と十分な治療によって、症状が落ち着く「寛解」まで到達できる猫が確実に増えてきました。世界的には、8割から9割の猫で長期的な改善が期待できるという報告もあります。
当院(南大沢どうぶつ病院/多摩八王子動物がんクリニック)は、八王子・多摩エリアでも数少ない、レムデシビルとモルヌピラビルの両方を院内に備え、FIP治療に積極的に取り組んでいる動物病院です。これらの薬剤は国内で一般には市販されておらず、備えて適切に使い分けられる病院は限られています。当院では診断からその日のうちに治療を始められる体制を整えています。
このページでは、FIPという病気の特徴と症状、診断の考え方、当院で行っている治療(使用する薬・期間・費用の目安・経過の見かた)を、これからFIPと向き合うご家族に向けてまとめました。「FIPかもしれない」と感じたとき、ご家族が一人で不安を抱え込まなくてよいように、猫ちゃんとご家族に寄り添いながら、できる限りの治療とサポートを行っていきます。
