About FIP

猫伝染性腹膜炎(FIP)について

当院が治療に取り組む理由と最新の治療法

FIPとはどのような病気か

猫伝染性腹膜炎(FIP:Feline Infectious Peritonitis)は、これまで「不治の病」とされてきたウイルス性疾患です。原因は猫腸コロナウイルスの変異であり、通常のコロナウイルスとは異なり、体の中で攻撃性を持つ「FIPウイルス」へ変化したときに発症します。

以前は確立した治療法がなく、診断されると短期間で亡くなるケースが多い病気でした。しかし近年、海外での研究と臨床実績が蓄積され、レムデシビル(Remdesivir)およびモルヌピラビル(Molnupiravir)を用いた治療で、非常に高い治療成功率が報告されるようになりました。

FIPは適切な治療を行えば「助けられる病気」へと変わりつつあります。

FIPの主な症状

FIPには「ウエットタイプ(滲出型)」と「ドライタイプ(非滲出型)」があり、症状が異なります。

ウエットタイプ

  • 腹水・胸水がたまり、お腹や胸が膨れる

  • 呼吸が速くなる、苦しそうにする

  • 発熱、活力低下、食欲不振

ドライタイプ

  • 体重減少、慢性的な元気低下

  • 貧血、黄疸

  • 眼の炎症(ぶどう膜炎・網膜病変)

  • 神経症状(ふらつき、けいれん、斜頸)

どちらのタイプでも、早期に治療を開始するほど回復の可能性が高まります。

FIPの診断について

FIPは単一の検査で確定診断が難しい病気です。当院では下記の情報を組み合わせて診断を行います。

  • 血液検査(炎症マーカー、貧血、黄疸など)
  • エコー検査(腹水の有無・臓器の変化)
  • レントゲン検査(臓器の変化)
  • 腹水・胸水検査
  • コロナウイルス抗体価/PCR検査
  • 神経症状・眼症状の評価

当院ではFIP診断の経験が豊富な獣医師が担当し、症状の分類、治療適応判断、予後の推定を丁寧に行っています。

FIPに対する最新治療

当院では、レムデシビル(注射)とモルヌピラビル(内服)を組み合わせた治療を行っています。これは現在、世界的に高い治療効果が報告されている方法であり、特に以下の点で優れています。

レムデシビル(Remdesivir):点滴・注射

  • 初期集中治療に有効

  • ウエットタイプや重度症例で効果が高い

  • 速やかな症状改善が期待できる

モルヌピラビル(Molnupiravir):内服薬

  • 継続治療に優れる抗ウイルス薬

  • 神経症状・眼症状の改善が報告

  • レムデシビルと併用することで治療効果が向上

治療期間

原則として84日間の治療を基本とし、その後評価を行います。治療中は血液検査・エコーなどで状態を細かく確認し、安全性を担保します。

治療成功率について

世界的には80〜90%以上の寛解率が報告されており、当院でも多くの猫が回復しています。

当院で治療を行うメリット

  • FIP症例の治療経験が豊富

  • レムデシビルおよびモルヌピラビルを症例に応じて適切に使い分け

  • 点滴治療、通院プラン、在宅管理のサポートまで一貫対応

  • 血液検査・画像診断を院内で迅速に実施可能

FIPを治療できる病院は全国的にまだ多くありません。そのため、早期介入ができず症状が悪化するケースも少なくありません。

当院では、FIP治療に積極的に取り組み、多くの症例経験を蓄積してきたことで、治療開始から数日で活力や食欲が改善するケースも多数あります。

84日間(12週間)の治療費用(お薬代)の目安

FIP治療において、飼い主様が最も不安に思われる費用について明確にお伝えします。当院では、治療を始める前に必ず詳細なお見積もりを作成し、ご家族と一緒に無理のない治療計画を話し合います。治療を強制することは決してありませんので、まずはご相談ください。

薬の費用の目安 約21万円 〜 約44万円(税込)

※体重や症状、選択する治療法などによって異なります。

費用の内訳と注意点

治療期間

原則として84日間(12週間)継続します。

変動要因

費用は猫ちゃんの体重や症状の進行度によって異なります。

神経症状がある場合

お薬の量が増えるため、上記目安よりも費用が変動(増額)することがあります。

別途かかる費用

お薬代のほかに、初期診断料(2〜5万円程度)や、経過観察のための定期的な血液検査代などが別途かかります。

FIP治療 よくある質問(Q&A)

病気・症状について

猫コロナウイルスが体内で突然変異を起こして発症する、かつては致死率ほぼ100%と言われた重篤な病気です。腹水や胸水が溜まる「ウェットタイプ」と、肉芽腫ができる「ドライタイプ」、その混合型などがあります。現在は有効な治療薬が登場し、寛解(事実上の完治)を目指せる病気になっています。

FIPそのものが他の猫に伝染することはありません。原因となる「猫コロナウイルス」は感染しますが、それが体内でFIPウイルスに変異するかどうかは個体差によります。人間や犬に感染することもありません。

元気消失、食欲不振、発熱(抗生物質が効かない熱)、体重減少などがよく見られます。少しでも違和感があれば早めの受診をお勧めします。

血液検査、超音波検査、レントゲン検査などを組み合わせて総合的に診断します。腹水や胸水がある場合は、PCR検査を行うことでより確定的な診断が可能になります。

治療・お薬について

ウイルスの再発を防ぎ、体から完全に排除するために必要な期間として、世界的な治療プロトコルで推奨されている期間が84日間です。

血中の薬物濃度を一定に保つため、毎日ほぼ同じ時間(24時間間隔)に投薬していただく必要があります。生活リズムに合わせて、無理なく続けられる時間を一緒に決めましょう。

当院では、投薬のコツを獣医師や看護師が丁寧にレクチャーいたします。投薬補助具の活用についてもご相談に乗りますので、ご安心ください。

基本的には推奨していません。まずはFIPの治療に専念し、寛解後に落ち着いてから行うことをお勧めしています。詳細は診察時にご相談ください。

お薬によっては、肝数値の上昇や下痢などが見られることがあります。当院では定期的な血液検査を行い、副作用が出ていないか細かくチェックしながら治療を進めます。

費用・お支払いについて

お薬代の目安として約21万円〜44万円程度となります。これに加えて診察料や検査費がかかります。体重の増加や神経症状の有無により変動します。

治療薬によっては保険適用外となるケースが多いですが、検査費用や一部の対症療法は対象となることがあります。ご加入の保険会社様へお問い合わせください。

はい、各種クレジットカードをご利用いただけます。

効果と費用のバランスを考慮した複数の治療プランをご用意できる場合があります。「治療したいけれど費用が不安」という場合も、諦める前にまずはご相談ください。

経過・予後について

数日以内に解熱や食欲の回復が見られることが多いですが、症状が重篤な場合は時間がかかることもあります。劇的に良くなっても、84日間の投薬は必ず続けてください。

 84日間の投薬終了後、経過観察期間を経て、ウイルスによる症状がなくなり、再発が見られない状態を指します。FIPにおいての「完治」に近い状態です。

高い確率で寛解しますが、稀に再発するケースもあります。万が一再発した場合でも、再治療によって寛解を目指すことは可能です。

基礎疾患がない限り、厳密な制限はありません。食欲が落ちている場合は「食べてくれるもの」を優先します。

病院の対応について

もちろんです。他院でFIPと診断された方のセカンドオピニオンも積極的に受け入れています。検査データをお持ちいただければスムーズです。

八王子・多摩・南大沢エリア以外から来院される患者様もいらっしゃいます。通院頻度の調整なども検討可能ですので、まずはご相談ください。

はい。南大沢どうぶつ病院では多くのFIP治療実績があります。常にアップデートされた最新の治療法を取り入れ、飼い主様と猫ちゃんを全力でサポートします。

こんな方に選ばれています

  • FIPの治療費が分からず、具体的な目安を知ってから受診を考えたい方
  • 他院でFIPと診断され、セカンドオピニオンや別の選択肢を探している方
  • 猫ちゃんにとって一番負担の少ない治療法を、獣医師と「一緒に」決めたい方

 

南大沢どうぶつ病院では、飼い主様のお気持ちに寄り添い、決して治療を強制することなく、最適な選択肢をご提案します。もし、お知り合いやご友人でFIPや猫ちゃんの体調不良で悩んでいる方がいらっしゃれば、ぜひ当院をご紹介ください。一緒に最善の道を見つけていきましょう。

院長からのメッセージ|当院がFIPの治療をおすすめする理由

FIPは、かつて「助けることができない病気」とされてきました。しかし今、治療法の進歩により多くの猫が回復できる病気となっています。

当院では、FIP治療に積極的に取り組み、症例を通じて治療経験を蓄積してきました。飼い主様の不安に寄り添いながら、最新かつ信頼性の高い治療を提供し、一日でも早く元気な姿を取り戻せるよう全力を尽くします。

大切な家族の命を救うために、どうか早期のご相談をおすすめいたします。

ご相談・ご予約

ご相談・ご予約は、下記お電話、WEB診察予約、またはオンライン相談で受け付けております。

診療時間:AM9:00~12:00 PM4:00~6:00
休診日 :木曜日 祝日 日曜午後

24時間受付

南大沢どうぶつ病院院長 保坂創史

院長の保坂創史は2000年に獣医師免許を取得。大学附属病院での研修・研究と一次診療の両方に長く携わってきました。
2004年に南大沢どうぶつ病院を開業後も腫瘍を中心とした専門診療と研究を継続し、治療を一方的に決めるのではなく、ご家族と一緒に治療方針を考える医療を大切にしています。
南大沢どうぶつ病院院長保坂 創史
院長 保坂創史