PREVENTION

腎臓病の早期発見に必要なこと

犬や猫の慢性腎臓病(CKD)をはじめとする腎臓の病気は、初期にはほとんど症状を示さないことが多く、気づいたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。とくに猫では、腎機能の多くが失われるまで症状が出にくいため、早期発見が予後を大きく左右します。当院では、飼い主様の日常的な観察と、獣医師による定期的な検査を組み合わせることで、腎臓病の早期発見・早期管理を実現しています。

飼い主様による日常の観察が第一歩

腎臓病の初期サインは、日常の中にさりげなく現れます。「水を飲む量・尿の量が増えた」「食欲にムラが出てきた」「少しずつ痩せてきた」「毛ヅヤが悪くなった」といった変化は、見過ごされがちですが、腎機能低下の初期サインのことがあります。とくに飲水量は、ご家庭でも確認しやすい大切な指標です。1日にどれくらい水を飲んでいるかを把握しておくと、変化に早く気づくことができます。

年齢や犬種・猫種によるリスクを知る

腎臓病は高齢になるほど発症しやすく、とくに猫では中高齢以降の発症が多くみられます。また、ペルシャやその関連猫種では、遺伝性の多発性嚢胞腎(PKD)に注意が必要です。こうしたリスクのある子では、若いうちからの定期的なチェックが推奨されます。

定期検診と検査で「見えない変化」を捉える

腎臓病の早期発見には、血液検査(とくにSDMA)や尿検査が欠かせません。SDMAは従来のクレアチニンよりも早い段階で腎機能の低下を捉えられるため、無症状の段階での発見に役立ちます。また、尿を濃縮する力の低下(尿比重の低下)は、血液検査よりも早く現れることがあり、尿検査の重要性は非常に高いといえます。当院では、7歳以上の犬猫を対象に、定期的な腎臓のチェックをおすすめしています。

早期からの管理が予後を変える

慢性腎臓病は、一度低下した腎機能を元に戻すことはできませんが、早い段階で見つけて適切な管理を始めることで、進行を緩やかにできることがわかっています。無症状の段階から療法食や水分管理を取り入れることで、良好な状態を長く保てたケースも多くあります。

愛する家族の「これから」を守るために

腎臓病の早期発見に必要なのは、「よく観察すること」「定期検診を受けること」「症状がなくても調べてみること」の三つです。当院では、症状の有無にかかわらず、飼い主様の「気づき」を大切にしながら、専門的な検査・診断・管理を組み合わせて、動物たちの健康と穏やかな毎日を支えています。わずかな変化に気づいたとき、それが大切な家族の時間を守る第一歩になります。どうぞお気軽に、腎臓の健康についてご相談ください。

SUPERVISED BY / 監修

このページは、南大沢どうぶつ病院 院長・獣医師 保坂 創史(日本獣医腎泌尿器学会認定医)が監修しています。

最終更新日:2026-06-25

気になる症状は、お気軽にご相談ください

南大沢どうぶつ病院/多摩八王子動物がんクリニック