FAQ

腎臓病科 よくあるご質問

猫は腎臓病になりやすいと聞きましたが、本当ですか?

本当です。慢性腎臓病(CKD)は高齢の猫で非常に多くみられる病気で、シニア期以降の猫では珍しくありません。とくに猫は不調を隠すのが上手なため、腎機能がかなり低下するまで症状が出にくく、気づいたときには進行していることもあります。だからこそ、症状がなくても定期的なチェックが大切です。

犬も腎臓病になりますか?

なります。慢性腎臓病(CKD)は猫に多い病気として知られていますが、犬でも加齢とともに増えてきます。犬・猫いずれも、シニア期以降は定期的なチェックをおすすめします。

腎臓病は何歳くらいから増えますか?

一般に高齢になるほど発症しやすく、とくに猫では中高齢以降に多くみられます。ペルシャやその関連猫種のように、遺伝的に多発性嚢胞腎(PKD)のリスクがある子では、若いうちからの定期チェックが大切です。当院では、7歳以上の犬や猫に、定期的な腎臓のチェックをおすすめしています。

腎臓病は治りますか?

慢性腎臓病では、一度低下した腎機能を元に戻すことは原則としてできません。ただし、早い段階で見つけて適切な管理を始めることで、進行を緩やかにし、穏やかな生活をできるだけ長く維持することを目指せます。治療の目的は「完治」ではなく、動物たちが自分らしく過ごせる時間をできるだけ長く守ることにあります。

腎臓病でも長生きできますか?

慢性腎臓病は進行性の病気ですが、早い段階で見つけて適切に管理することで、長く元気に過ごせる子も少なくありません。進行の速さには個体差がありますが、ステージに応じた管理を無理なく続けることで、穏やかな生活をできるだけ長く維持できることがあります。数値だけを追うのではなく、動物たちが自分らしく過ごせる時間をどう守るかを、ご家族と一緒に考えます。

初期に気づくには、どうすればいいですか?

ご家庭では「飲水量や尿の量が増えていないか」の観察が大きな手がかりになります。とくに多飲多尿は代表的な初期サインです。あわせて、血液検査のSDMAや尿検査は、症状が出る前の段階でも腎機能の低下を捉えられます。当院では、7歳以上の犬や猫に定期的な腎臓のチェックをおすすめしています。

健康診断で「腎臓の数値が高い」と言われました。症状がなくても受診したほうがいいですか?

はい、おすすめします。クレアチニンやSDMAの軽度な上昇、尿比重の低下などは、症状が出る前の慢性腎臓病の初期のサインであることがあります。慢性腎臓病は、無症状の早い段階で見つけて管理を始めるほど、進行を緩やかにできる可能性が高まります。健診で指摘された段階での受診は、とても意味があります。これまでの検査結果をお持ちいただくと、よりスムーズです。

SDMAとは、どんな検査ですか?

SDMA(対称性ジメチルアルギニン)は、腎機能を評価する血液検査の指標のひとつです。従来のクレアチニンよりも早い段階で腎機能の低下を反映するため、無症状の早期に慢性腎臓病を見つける手がかりになります。健康診断の血液検査の項目として測定されることもあります。

血液検査だけで腎臓病は診断できますか?

血液検査(BUN・クレアチニン・SDMA)は基本となる重要な検査ですが、それだけでは十分でないことがあります。尿検査(尿比重・尿蛋白)で尿を濃縮する力や蛋白の漏れを確認し、必要に応じて血圧測定や超音波検査も組み合わせて、総合的に評価します。これらをもとに、IRISのステージ分類を行います。

腎臓の検査にはどれくらい時間がかかりますか?

検査の内容によって異なります。血液検査・尿検査・血圧測定といった基本的な検査は比較的短い時間で行え、当日のうちに結果の一部をご説明できることも多くあります。必要に応じて超音波検査などを追加することもありますので、詳しい所要時間は、動物たちの状態や検査内容に応じて受診時にご案内します。

食事療法(腎臓療法食)は必要ですか?

腎臓療法食は、リンや蛋白を調整して腎臓への負担を減らす、治療の柱となる食事療法です。ステージや状態によって導入のタイミングは異なりますが、早い段階から取り入れることで、進行を緩やかにできる場合があります。無理なく続けられる形を、ご家族と一緒に考えます。

腎臓療法食を食べてくれません。どうすればいいですか?

療法食は治療の柱ですが、無理に食べさせて、かえって食欲を落としてしまっては本末転倒です。種類や形状(ドライ・ウェット)を変える、少しずつ切り替える、といった続けやすくする工夫があります。どうしても難しい場合は、食欲や吐き気への対応も含めて、動物たちに合った方法を一緒に考えます。なお、自己判断で市販の低タンパク食に切り替えることは、栄養バランスの面からおすすめできません。まずはご相談ください。

皮下点滴はずっと続ける必要がありますか?

状態によって異なります。皮下点滴は脱水を防ぎ、老廃物の排泄を助けるための管理のひとつで、ステージや体調に応じて頻度を調整します。ずっと同じ形で続けるとは限らず、検査の結果を見ながら、その時々に必要な範囲で行います。ご自宅での方法をお伝えすることもあります。

自宅でできるケアはありますか?

飲水量のチェックや、療法食の継続、体重の記録などが大切なケアになります。脱水を防ぐための皮下点滴を、ご自宅で行っていただく方法をお伝えすることもあります。ご家庭で無理なく続けられる管理を、状態に合わせてご提案します。

セカンドオピニオンは受けられますか?

はい、対応しています。今の治療方針が適切か確認したい、別の選択肢を知りたい、専門的な検査で改めて評価してほしい、といったご相談を承ります。現在の主治医の治療を否定するものではなく、状況を整理し、納得して選んでいただくためのお手伝いです。これまでの検査結果やお薬手帳をお持ちいただくと、スムーズです。

尿が出ていないようです。急いだほうがいいですか?

とくにオス猫では、尿道が結石や結晶で詰まる「尿道閉塞」を起こすことがあり、数時間から半日ほどで命に関わることもある緊急事態です。トイレで何度も力むのに尿が出ない、ぐったりしている、嘔吐しているといった場合は、様子を見ずに、すぐ当院までご連絡ください。

受診の目安

次のような様子がみられたら、お早めの受診をおすすめします。

  • 水を飲む量・尿の量が増えた
  • 食欲が落ちてきた
  • 体重が少しずつ減ってきた
  • 吐く回数が増えた
  • 元気や活動量が減った
  • 尿が出ない・出にくい(とくにオス猫は緊急のことがあります)

SUPERVISED BY / 監修

このページは、南大沢どうぶつ病院 院長・獣医師 保坂 創史(日本獣医腎泌尿器学会認定医)が監修しています。

最終更新日:2026-06-25

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南大沢どうぶつ病院/多摩八王子動物がんクリニック