猫の体を触っていて「しこり」を見つけたとき、多くの飼い主様が不安になります。
「これはがんなのだろうか」「様子を見ても大丈夫なのか」「すぐに病院に行くべきなのか」
猫のしこりは、犬と比べて悪性腫瘍の割合が高いと言われています。そのため、小さなしこりであっても注意が必要です。
猫のしこりの主な原因
猫のしこりにはさまざまな原因があります。大きく分けると、次の3つに分類されます。
良性腫瘍
良性腫瘍は比較的ゆっくりと成長し、転移することはほとんどありません。
代表的なもの
脂肪腫
皮膚嚢胞
良性皮膚腫瘍
猫では犬ほど脂肪腫は多くありませんが、良性のしこりができることもあります。
悪性腫瘍(がん)
猫のしこりで最も注意が必要なのが悪性腫瘍です。
猫でよくみられる腫瘍には次のようなものがあります。
乳腺腫瘍
扁平上皮癌
肥満細胞腫
線維肉腫
特に猫の乳腺腫瘍は、約80〜90%が悪性とされており、早期の診断と治療が重要になります。
炎症や感染
腫瘍ではなく、炎症や感染によってしこりができることもあります。
例えば
咬み傷による膿瘍
注射部位反応
皮膚感染
などです。
特に猫では、ケンカによる咬み傷が原因で膿瘍ができることがあります。
猫のしこりは様子見してもいい?
猫のしこりでよくある質問が
「様子を見ても大丈夫でしょうか?」
というものです。
しかし猫の場合、しこりの中には悪性腫瘍である割合が比較的高いため、注意が必要です。
次のような場合は早めの受診がおすすめ
しこりが大きくなってきた
硬い
皮膚に固定されている
出血している
数が増えている
触ると痛がる
また、しこりが小さくても悪性腫瘍である場合があります。
早期に検査を行うことで、治療の選択肢が広がることがあります。
猫のしこりの検査
しこりの原因を調べるために、次のような検査を行います。
細胞診検査
細い針を使ってしこりの細胞を採取し、顕微鏡で調べる検査です。多くのしこりで実施される基本的な検査です。
病理検査
手術などで採取した組織を詳しく調べる検査です。腫瘍の種類や悪性度を正確に評価することができます。
画像検査
腫瘍の広がりや転移を調べるために
レントゲン検査
超音波検査
CT検査
などを行い、転移の有無を確認します。
猫のしこりの治療
治療方法は、腫瘍の種類や進行度によって異なります。
主な治療法
外科手術
抗がん剤治療
分子標的薬
経過観察
例えば猫の乳腺腫瘍では、早期に手術を行うことで良好な結果が得られることがあります。
腫瘍科受診のタイミング
次のような場合は、腫瘍科での評価をおすすめします。
しこりが見つかった
しこりが大きくなってきた
がんと診断された
手術をすすめられている
セカンドオピニオンを聞きたい
腫瘍診療では、早く正確な情報を得ることが重要です。
猫のしこりでお悩みの方へ
猫のしこりの中には良性のものもありますが、悪性腫瘍である場合も少なくありません。
大切なのは
正確な診断を行い、適切な治療方針を立てることです。
当院では、腫瘍科認定医による診断と治療を行っています。
「まずは相談だけしたい」「セカンドオピニオンを聞きたい」
という場合でも問題ありません。
お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
猫のしこりを見つけたら、様子を見てもよいですか?
猫は犬に比べてしこりが悪性である割合が高いため、様子見はおすすめしていません。とくにしこりが大きくなってきた、硬い、皮膚に固定されている、出血している、数が増えているといった場合は、早めに受診してください。小さなしこりでも悪性のことがありますので、気づいた時点でご相談いただくと安心です。
触っただけで良性か悪性か分かりますか?
見た目や触った感触だけで良性か悪性かを確定することはできません。やわらかく動くしこりでも悪性のことがあり、逆に硬いしこりが良性のこともあります。正確に判断するには、細胞や組織を顕微鏡で調べる検査が必要です。触診はあくまで検査を進めるかどうかの判断材料としてお考えください。
どんな検査でしこりを調べるのですか?
まず、細い針でしこりの細胞を採取して顕微鏡で調べる細胞診検査を行うことが多いです。より正確に腫瘍の種類や悪性度を評価する場合は、組織を採取して調べる病理検査を行います。腫瘍の広がりや転移を確認するために、レントゲン検査、超音波検査、CT検査といった画像検査を組み合わせることもあります。
細胞診検査は猫の体に負担がかかりますか?
細胞診検査は細い針を刺して細胞を採る検査で、体への負担は比較的少ない方法です。多くのしこりで最初に行われる基本的な検査です。しこりの場所や猫の性格によっては保定や鎮静が必要になることもありますので、実際の進め方は診察のうえでご説明します。
しこりが小さいうちに受診する意味はありますか?
あります。小さいうちに調べておくことで、それが良性なのか悪性なのかを早い段階で確認できます。悪性だった場合でも、早期に見つかれば治療の選択肢が広がることがあります。猫の乳腺腫瘍のように、早期の手術で良好な結果が得られることがある腫瘍もありますので、小さいからと放置しないことをおすすめします。
検査や治療の費用はどのくらいかかりますか?
費用はしこりの状態や必要な検査、治療内容によって変わります。診察のうえで、想定される検査や治療の流れとあわせてご案内しますので、気になる点はお気軽にお尋ねください。
自宅ではどんな点に気をつけて観察すればよいですか?
しこりの大きさや硬さ、数が変化していないか、出血や触ったときに痛がる様子がないかを見てあげてください。大きさは日にちとともに比べられるよう、気づいた日を控えておくと診察のときに役立ちます。変化に気づいたときは、次の受診を待たずにご相談ください。
SUPERVISED BY / 監修
このページは、南大沢どうぶつ病院 院長・獣医師 保坂 創史(日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種)が監修しています。
最終更新日:2026-06-25
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