当院では、犬と猫の循環器疾患に対して多数の診療実績を有しており、軽度の異常から重度の心不全まで、幅広い症例に対応してまいりました。循環器疾患は早期発見・早期治療が極めて重要であり、地域の動物たちの命と健康を守るサポートを続けています。
犬の症例(僧帽弁閉鎖不全症など)
当院における循環器科の症例の中でも、特に多くを占めるのは小型犬に多い「僧帽弁閉鎖不全症(MVD)」です。早期のACVIMステージB1・B2の段階で診断されるケースも多く、心エコー検査により心拡大の兆候を確認したうえで、心不全の発症を遅らせる治療実績が多数あります。ステージC以降の症例においても、多剤併用療法によるうっ血性心不全のコントロールを行い、多くの動物たちのQOL向上を実現しています。
猫の症例(肥大型心筋症など)
猫の循環器診療においても、特に「肥大型心筋症(HCM)」に関しては、当院では猫種や年齢に応じたスクリーニングを行っており、定期検診時に無症状で見つかるケースが多くあります。心エコーで左心室の肥厚や心房拡大を早期に捉え、動脈血栓塞栓症(ATE)などの致命的合併症を予防するために、血管拡張薬や抗血栓薬(クロピドグレル)の早期投与を行った症例も多数あります。
先天性心疾患・重度症例への対応
また、先天性心疾患である「動脈管開存症(PDA)」や「肺動脈狭窄症(PS)」などについても、心雑音に気づいた段階での精密検査を実施し、専門機関との連携による外科的またはカテーテル治療の橋渡しを行っております。こうした重度の循環器疾患に対するコーディネート体制も当院の強みの一つです。
一貫した診療体制
当院では、各種循環器疾患に対して、検査から診断、治療、経過観察までを一貫して行える体制を整備しています。心エコー検査はもちろんのこと、胸部レントゲン、心電図、血圧測定、血液中の心筋バイオマーカー(NT-proBNP)などを組み合わせた多角的な診断が可能であり、診断精度の高さと治療戦略の明確さが、多くの飼い主様に信頼されています。
症例の7割以上が早期発見によって適切な管理へと移行しており、「もっと早く来てよかった」というお声を多数いただいております。循環器疾患の診療は、一度治療すれば終わりではなく、長期的な管理が必要です。当院では、飼い主様との密な連携を通じて、生活環境のアドバイス、内服管理、食事の指導など、日常生活に根ざしたサポートを継続的に行っています。
当院での循環器治療の基本方針
治療では、単に病気の進行を遅らせるだけでなく、「どれだけ快適に暮らせるか」というQOL(生活の質)の向上を重視しています。適切な薬剤の投与に加え、食事療法(塩分制限・オメガ3脂肪酸)、環境調整(ストレス軽減、快適な温湿度)、在宅での呼吸数モニタリング指導、定期フォローアップと再評価といった生活支援も行っています。飼い主様と共に、ペットの「今とこれからの生活」を支える、それが当院の循環器治療の基本方針です。
SUPERVISED BY / 監修
このページは、南大沢どうぶつ病院 副院長・獣医師 保坂 記世が監修しています。麻布大学附属動物病院の循環器科で専科研修を積み、循環器内科の診療に20年以上携わってきました。日本獣医循環器学会に所属しています。
最終更新日:2026-06-25