咳は、犬で多く見られる循環器疾患の症状のひとつです。特に夜中や明け方、運動後に咳き込む様子が見られた場合、早めの受診が推奨されます。
なぜ心臓病で咳が出るのか
僧帽弁閉鎖不全症(MVD)などで心臓が拡大すると、大きくなった心臓が気管を圧迫することで、咳が出るようになります。「年齢のせい」「のどの調子が悪いだけ」と見過ごされがちですが、心臓が原因の咳である可能性があります。
こんな咳は注意
夜間や明け方に咳き込む
運動や興奮のあとに咳が出る
咳が続く、だんだん増えてきた
咳とともに呼吸が速い・苦しそう
当院での対応
咳の原因が心臓にあるのか、気管や呼吸器にあるのかを見極めることが大切です。当院では聴診に加え、胸部レントゲンや心エコー検査で心臓の状態を評価し、原因に応じた診断・治療を行います。咳の様子を撮影した動画があると診断の手がかりになりますので、ぜひお持ちください。
よくあるご質問
心臓が原因の咳と、気管や気管支が原因の咳はどう違うのですか?
見た目だけで区別するのは難しいことが多いです。僧帽弁閉鎖不全症などで心臓が大きくなると、その心臓が気管を圧迫して咳が出ることがあります。一方で、気管や気管支そのものの問題で咳が出ることもあります。どちらが原因かによって必要な対応が変わりますので、聴診や胸部レントゲン、心エコー検査で見極めていきます。
どんな咳が見られたら受診した方がよいですか?
夜間や明け方に咳き込む、運動や興奮のあとに咳が出る、咳が続いていて少しずつ増えてきた、咳とともに呼吸が速い・苦しそう、といった様子が見られる場合は、早めの受診をおすすめします。心臓が原因の咳である可能性があるためです。
市販の咳止めや家庭のケアで様子を見てもよいですか?
咳止めで一時的に咳がおさまったように見えても、その裏にある原因が評価されないままになってしまうことがあります。咳の原因が心臓にあるのか、気管や呼吸器にあるのかをまず調べることが先だと考えています。自己判断で様子を見続けるよりも、一度診察を受けていただく方が安心です。
夜間や明け方、運動のあとに咳き込むのはなぜですか?
心臓が原因の咳では、夜中や明け方、運動や興奮のあとに咳き込む様子が見られやすい傾向があります。こうしたタイミングでの咳は「年齢のせい」「のどの調子が悪いだけ」と見過ごされがちですが、心臓の状態を確認するきっかけになる症状です。
何歳ごろから咳に気をつけた方がよいですか?
僧帽弁閉鎖不全症などの循環器疾患は、年齢を重ねた犬で多く見られます。シニア期に入ってから咳が目立つようになった場合は、心臓が関わっている可能性も考えて診ていく必要があります。気になる咳が続くようでしたら、年齢にかかわらず一度ご相談ください。
咳の原因を調べるときは、どんな検査をするのですか?
まず聴診で心臓の音を確認します。そのうえで胸部レントゲンや心エコー検査を行い、心臓が大きくなっていないか、気管が圧迫されていないかなど、心臓の状態を評価します。ご自宅で咳の様子を撮影した動画があると、診察室では見られない咳を確認でき、診断の手がかりになります。
SUPERVISED BY / 監修
このページは、南大沢どうぶつ病院 院長・獣医師 保坂 創史(日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種)が監修しています。
最終更新日:2026-06-25