こんなときは、すぐにお電話ください
呼吸が苦しそう、ぐったりして動かない、後ろ足が急に動かなくなった、けいれんがある——こうしたサインは一刻を争います。診療時間内は、まずお電話ください。夜間・休診時は、かかりつけ以外でもお近くの救急動物病院を受診してください。
電話をかける 042-670-0733猫の呼吸が速い・浅い、口を開けて呼吸するといった様子は、心臓病の重要なサインのことがあります。猫は症状を隠すのが上手な動物のため、飼い主様の観察がとても大切です。
猫の心臓病の特徴
猫で最も多い心臓病は「肥大型心筋症(HCM)」です。HCMは心雑音がなくても進行していることがあり(無音性の心筋症)、初期には症状がほとんど見られません。進行すると肺水腫や胸水によって呼吸が速く・浅くなり、口を開けて呼吸する、お腹を使って呼吸するといった様子が見られます。
また、HCMに伴って「動脈血栓塞栓症(ATE)」という血栓が足の血管を塞ぐ病態が起きることがあり、突然後ろ足を引きずる・立てない・強い痛みを訴えるといった場合は、緊急性の高い状態です。
家庭でできる「安静時呼吸数」のチェック
猫が眠っているときに1分間の呼吸回数を数えてください。安静時(睡眠時)の呼吸数が1分間に30回を超える日が続く、または口を開けて呼吸している場合は、できるだけ早くご相談ください。
当院での対応
猫では聴診で異常が見られなくても追加の検査が必要なことが多く、当院では心エコー検査を中心に評価を行います。左心室の肥厚や心房拡大、動脈血栓塞栓症のリスク(左房拡大や「もやもやエコー」の有無)を確認し、必要に応じて血管拡張薬や抗血栓薬による予防的治療を行います。
よくあるご質問
家庭での安静時呼吸数はどうやって測ればよいですか?
猫が眠っているときや、じっと落ち着いて休んでいるときに測ってください。胸やお腹が上下する動きを1回と数え、1分間に何回動くかをカウントします。運動や食事の直後、興奮しているときは数値が上がるため、リラックスした状態で測ることが大切です。数日ぶんを記録しておくと、ふだんの様子と比べやすくなります。
呼吸数がどのくらいだと注意が必要ですか?
安静時(睡眠時)の呼吸数が1分間に30回を超える日が続く、または口を開けて呼吸している場合は、できるだけ早くご相談ください。ふだんより明らかに呼吸が速い、浅いと感じたときも、そのままにせずお問い合わせいただくと安心です。
すぐに受診したほうがよいのはどんなときですか?
口を開けて呼吸している、お腹を大きく使って苦しそうに呼吸している、ぐったりして動かない、といった様子があるときは、すぐにお電話のうえ受診してください。また、突然後ろ足を引きずる・立てない・強く痛がるといった場合は、動脈血栓塞栓症の可能性があり、緊急性の高い状態です。迷ったときは、まずお電話でご相談ください。
猫は体調が悪くても隠すと聞きますが本当ですか?
猫は不調をあらわに見せない動物のため、心臓病がかなり進行するまで元気そうに見えることがあります。肥大型心筋症(HCM)は初期にはほとんど症状が出ず、心雑音がなくても進んでいることがあります。だからこそ、家庭での安静時呼吸数のチェックや、ふだんの様子との違いに気づくことが、早めの発見につながります。
暑さや興奮で呼吸が速いだけということもありますか?
暑いときや運動の直後、緊張しているときに一時的に呼吸が速くなることはあります。落ち着いた環境で休ませてしばらくすると元に戻る場合は、様子を見ていただいてかまいません。ただし、涼しく静かな場所で休んでも呼吸が速いままのとき、口を開けて呼吸しているときは、病気が隠れていることがありますので、ご相談ください。
夜間や休診時に呼吸が苦しそうなときはどうすればよいですか?
苦しそうな呼吸は待てないサインのことがあります。診療時間内であれば、まずお電話のうえお越しください。夜間や休診時に強く苦しんでいる場合は、お近くの夜間救急動物病院への受診をご検討ください。翌日以降で落ち着いているようであれば、当院で心エコー検査を含めた評価を行いますので、あらためてご相談ください。
SUPERVISED BY / 監修
このページは、南大沢どうぶつ病院 院長・獣医師 保坂 創史(日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種)が監修しています。
最終更新日:2026-06-25