当院では、次のような手術に腹腔鏡で対応しています。腫瘍の大きさや周囲の状態によっては開腹手術が適していることもあり、適応できるかどうかは事前の検査で判断します。
避妊手術(卵巣摘出)
腹腔鏡の代表的な適応です。従来はお腹を大きく切開していましたが、腹腔鏡では数ミリの穴から卵巣を摘出できます。術後の痛みや出血が少なく、回復もスムーズです。傷が小さくカラーを着けずにすむことも多く、術後の負担や回復のはやさを重視される場合に適した選択肢です。
停留精巣(陰睾)の摘出
お腹の中に精巣が残ってしまう「停留精巣」は、放置すると将来的に腫瘍化のリスクがあります。腹腔鏡では、お腹の中の精巣をカメラで確認しながら、小さな傷で摘出できます。
消化管異物の摘出
誤って飲み込んだ異物の摘出にも、腹腔鏡(腹腔鏡補助下)で対応できる場合があります。ただし、異物の位置や大きさによっては内視鏡(胃カメラ)や開腹が適していることもあり、方法は状態に合わせて選びます。
生検(組織の一部を採る検査)
肝臓など、お腹の中の臓器の一部を採って調べる生検も、腹腔鏡なら小さな傷で行えます。カメラで直接見ながら狙った部位を採取できます。
膀胱結石の摘出
一部の膀胱結石は、腹腔鏡(腹腔鏡補助下)で摘出できる場合があります。結石の大きさや数、状態によって適応を判断します。
腹腔鏡補助下 胃固定術(同時に行えます)
大型犬や胸の深い犬種で起こりやすい「胃拡張捻転症候群」は、発症すると命に関わる緊急事態です。避妊手術と同時に胃を腹壁に固定しておく「胃固定術」を行うことで、この病気の予防につながります。同時に行えば、麻酔をかける回数を1回にまとめられます。対象になるかは体格や犬種により変わりますので、診察の際にご相談ください。