南大沢どうぶつ病院/多摩八王子動物がんクリニック
動物が重い病気と診断されたとき、 「できることはすべてやってあげたい」と思うのは、ご家族として自然な気持ちです。
一方で、
「この治療は本当にこの子のためになるのだろうか」 「つらい思いをさせてまで続けるべきなのだろうか」
と悩まれる方も少なくありません。
当院が無理な治療を勧めない医療を大切にしているのは、 単に病気を治すことだけが目的ではなく、動物たちが自分らしく過ごせる生活の質(QOL)を守ることが最も重要だと考えているからです。
「できる治療」と「すべき治療」は違うことがあります
医療が進歩するにつれて、できる治療は年々増えています。
高度な手術、強力な薬剤、集中的な治療など、 医学的には可能な選択肢がたくさん存在します。
しかし、
できること=動物たちにとって最善のこと
とは限りません。
年齢や体力、病気の進行度、性格、ご家庭の状況によって、 負担が大きすぎる治療が逆に苦しみを増やしてしまう場合もあります。
治療の目的は「延命」だけではありません
もちろん、治療によって寿命が延びることは大切な成果です。
しかし当院では、
どれだけ長く生きるかだけでなく、どのように生きるか
も同じくらい重要だと考えています。
治療によって
食事ができなくなる
動けなくなる
入退院を繰り返す
といった状態が続くことが、本当に動物たちの幸せなのかを常に考えます。
時には、積極的な治療を行わず、 苦痛を和らげながら穏やかに過ごす選択が最善となることもあります。
当院の治療方針の考え方
当院では、治療を提案する際に、
治療によって期待できる効果
起こりうる負担やリスク
生活への影響
代替となる選択肢
を正直にお伝えしています。
「これをやれば必ず良くなる」といった過度な期待を持たせることはありません。
その上で、 ご家族と一緒に治療の方向性を考えることを大切にしています。
専門診療があるからこそ「やらない判断」もできる
当院では、 腫瘍科(がん診療)、循環器科、腹腔鏡外科、腎泌尿器科などの専門診療にも力を入れています。
専門的な知識と経験があることで、
積極治療が本当に有効か
負担に見合う効果が期待できるか
別のアプローチが適しているか
を冷静に判断することができます。
専門性があるからこそ、 無理な治療を勧めない選択も責任を持って行えるのです。
無理な治療を勧めないことは「諦め」ではありません
治療を行わない選択をすると、
「何もしていないようで不安」 「見捨ててしまったように感じる」
と感じてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、治療を控える選択も、 動物たちを思っての立派な医療判断です。
痛みを和らげる治療、生活の質を保つケア、 ご家族との時間を大切にするサポートも、重要な医療の一部です。
こんな方に当院の医療は向いています
無理な治療を勧められたくない方
動物の負担を第一に考えたい方
治療のメリットとデメリットを正直に知りたい方
穏やかな時間も大切にしたい方
最後に
私たちは、治療を行うこと自体が目的ではなく、 動物とご家族が納得しながら前に進める医療を目指しています。
ときには治療を控える選択が、 動物たちにとって最も優しい道となることもあります。
どんな状況でも、私たちはご家族と向き合い、 最善の選択を一緒に考え続けます。
もし治療について迷いや不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。 一般診療から専門診療、セカンドオピニオンまで、状況に合わせて丁寧に対応いたします。
SUPERVISED BY / 監修
この記事は、南大沢どうぶつ病院 院長・獣医師 保坂 創史(日本獣医がん学会 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種)が監修しています。
公開日:2026-02-19