「散歩中に急にぐったりして倒れて、病院に駆け込みました」「健康診断のエコーで、脾臓(ひぞう)にしこりがあると言われて」。脾臓の腫瘤(しゅりゅう)は、突然のかたちで見つかることがあるテーマです。
それは、診断と判断のタイミングが大切な病気です。事前に知っておくと、いざというときに落ち着いて選択ができます。

脾臓ってどこにある臓器?
お腹の左側にあります
脾臓はお腹の中で、胃のすぐそばにある臓器です。古い赤血球の処理や免疫に関わっています。
しこりができても症状が出にくい
かなり大きくなるまで気づかないことが多いです。
脾臓の腫瘤、良性と悪性
良性の場合
血腫、血管腫、過形成など。手術で摘出すれば経過良好なことが多いです。
悪性の場合
血管肉腫(けっかんにくしゅ)が代表的です。進行が早く、突然の腹腔内出血で倒れることもあります。
見た目だけでは区別がつかない
画像検査だけで確実に良悪性を見極めるのは難しく、最終的には病理検査が必要です。
突然倒れるのはなぜ?
腹腔内出血
脾臓の腫瘤が破れて、お腹の中で出血を起こすことがあります。急激な貧血で倒れます。緊急手術が選択肢になります。
検査の流れ
超音波検査
脾臓の腫瘤の大きさ、位置、腹水の有無を確認します。
胸のレントゲン・心臓の評価
血管肉腫は心臓や肺に転移しやすく、初診時の評価が重要です。
細胞診の限界
脾臓は出血リスクから安易な針生検を避け、手術での摘出と病理検査が基本になります。
治療の選択肢
摘出手術
脾臓そのものを摘出します。良性の場合はこれで治療完了することが多いです。
悪性の場合
摘出後、進行のスピードや転移の有無に応じて、抗がん剤や緩和ケアの選択肢を検討します。
当院でできること
当院は腫瘍科認定医が在籍し、脾臓腫瘤の診断と方針決定をワンストップでお話しします。腹腔鏡や開腹手術にも対応しています。
健康診断の意義
無症状の段階で見つかることもあるからこそ、シニア期の健康診断にお腹の超音波検査をおすすめしています。
一緒に決めていきましょう
「すぐ手術するか、経過を見るか」「手術するならどこまでするか」。一緒に整理して決めていきましょう。
南大沢どうぶつ病院 院長/日本獣医がん学会腫瘍科認定医Ⅰ種:保坂 創史
(八王子市・多摩市・南大沢エリアの動物病院)

