高齢の猫が痩せてきたとき、それは「年のせい」だけとは限りません。シニア猫の体重減少の裏には、甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病、糖尿病など、治療できる病気が隠れていることが多くあります。体重は健康状態を映す大切なサインです。
「年のせい」と決めつけないでください
猫は体が小さいぶん、体重の数百グラムの変化が大きな意味を持ちます。元の体重から1割から2割ほど減っていれば、はっきりとした変化です。年齢を重ねて自然に少し痩せることはありますが、はっきりと痩せてきた場合は、一度原因を調べておくと安心です。
猫の体重減少で考えられる主な病気
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰になる病気で、「よく食べているのにやせる」のが特徴です。活発になりすぎる、水をよく飲むといったサインを伴うことがあります。詳しくは猫の甲状腺機能亢進症のページで解説しています。
慢性腎臓病(CKD)
シニアの猫にとても多い病気です。水をよく飲む、尿の量が増える、食欲が落ちるといった変化とともに、少しずつ痩せてきます。詳しくは猫の慢性腎臓病のページをご覧ください。
糖尿病
水をよく飲み、尿の量が増え、食べているのにやせてくることがあります。血液検査や尿検査で確認します。
消化器の病気
慢性的な嘔吐や下痢、食欲の変化を伴うことがあります。炎症性腸疾患(IBD)のほか、消化器型リンパ腫などの腫瘍が隠れていることもあります。
腫瘍(がん)
体のさまざまな部位の腫瘍で、食欲や体重が落ちてくることがあります。高齢の猫では念頭に置いておきたい原因の一つです。
歯やお口の痛み
口の中が痛くて食べられず、やせてしまうことがあります。食べたそうにするのに食べない、といった様子がみられることがあります。
受診の目安
- 食欲があるのに痩せてきた
- 食欲そのものが落ちてきた
- 水を飲む量や尿の量が増えた
- 嘔吐や下痢が続いている
- 毛づやが悪い、動きや遊びが減った
「よく食べるのに痩せる」場合と「食べないで痩せる」場合とでは、疑う病気が変わります。どちらの場合も、原因を調べることで対応の幅が広がります。
当院で行う検査
まず体重測定と身体検査で全身を確認し、血液検査(甲状腺ホルモンの測定を含みます)、尿検査、血圧測定を行います。必要に応じてレントゲン検査や超音波検査などの画像検査を組み合わせ、原因を絞り込んでいきます。
早めのご相談を
シニアの猫の体重減少は、早く気づいて原因を調べるほど、できることが多くなります。「最近痩せてきたな」と感じたら、様子を見すぎずに一度ご相談ください。