「健康診断で胆嚢(たんのう)に泥がたまっていると言われました」「胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)と診断されたけど、本人は元気で…」。胆嚢の病気は、症状がないまま見つかることが多く、判断に迷うご相談の代表です。
それは、放置してよいわけではないけれど、すぐに手術と決めなくてもよいケースもあります。状態を正しく評価することが、判断の鍵になります。
胆嚢の病気の段階
胆泥症(たんでいしょう)
胆汁がドロッとした泥状になっている状態です。多くは無症状で見つかります。
胆嚢粘液嚢腫
胆嚢の中身が固い粘液で満たされ、超音波検査で「キウイの断面」のように見える特徴的な所見が出ます。胆嚢破裂のリスクが上がります。
胆嚢炎・胆管閉塞
細菌感染や胆汁の流れの停滞が起こり、肝酵素や黄疸(おうだん)の悪化につながります。
手術を考えるかどうかの目安
中身の固さと胆嚢の壁
超音波検査で胆嚢の中身が固く、壁が薄くなって破れそうな所見があれば、無症状でも予防的手術を検討します。
肝酵素の上昇傾向
ALPなどの胆道系酵素が継続的に上がってきている場合、進行のサインかもしれません。
内科治療への反応
利胆剤(りたんざい)や食事療法で改善する場合は、しばらく経過を見る選択肢もあります。
手術のタイミングが鍵
破裂してからの緊急手術は、リスクが大きく上がります。「破れる前に」がキーワードです。一方で、リスクの低い段階で手術を急ぐ必要もありません。
当院でできること
当院は腹腔鏡外科に強みがあり、胆嚢摘出術にも対応します。腹腔鏡で行えれば、傷が小さく、回復も早いというメリットがあります。
内科治療と手術の使い分け
利胆剤、低脂肪食、抗生剤の組み合わせで内科的にコントロールできるケースもあります。定期的な超音波で進行をモニタリングしながら、ベストなタイミングを一緒に見計らいます。
一緒に決めていきましょう
「手術を受けさせていいのか」「もう少し待っていいのか」。判断の難しいテーマです。ご家族の不安と、その子の体力、当院の評価をすり合わせて、一緒に決めていきましょう。