「健康診断の結果、肝臓の数値が高いって言われたんですけど…」「ALTが3桁って書いてあって、不安で」。元気に過ごしている子の血液検査で、突然肝酵素の上昇を指摘される。よくあるご相談です。
それは、必ずしもすぐに重い病気というわけではありません。ただ、放っておいてよい数値でもないことが多いのです。何を考え、どう動けばよいのかを整理してみましょう。
肝酵素ってそもそも何?
ALT・ALP・GGTそれぞれの意味
肝酵素にはいくつか種類があります。ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)は肝臓の細胞が傷んだときに上がります。
ALP(アルカリフォスファターゼ)は胆汁の流れが滞ったときやステロイドホルモンの影響で上がります。
GGT(ガンマGTP)も胆道系の指標です。
数値だけで病気は決まらない
酵素はあくまで「肝臓に何かが起きているかも」というサインです。原因は肝臓そのものとは限りません。
肝酵素が上がる主な原因
肝臓そのものの病気
慢性肝炎、肝臓の腫瘍、胆泥症、胆嚢粘液嚢腫などです。
肝臓以外からの影響
クッシング症候群(副腎の病気)、糖尿病、膵炎、心臓病、お薬の副作用など、別の臓器の病気が肝臓に影響することもよくあります。
一過性の変化
食事内容の変化や軽い消化器症状のあとに一時的に上がっていることもあります。
次に何をするか
まずは再検査と問診
1〜2週間あけて再検査をし、生活背景と合わせて原因を絞り込みます。
腹部超音波検査が有用
肝臓の構造、胆嚢の中身、副腎の大きさまで確認できます。当院では腹部超音波を診療の中心に据えています。
必要に応じて精密検査
胆汁酸検査、ホルモン検査、細胞診や生検まで段階的に進めていきます。
当院でできること
当院は腹腔鏡(ふくくうきょう)下生検を含む、肝臓の精密検査が可能です。「数値が高いから、すぐ強いお薬」ではなく、原因に合わせた対応をご提案いたします。
一緒に決めていきましょう
肝酵素の上昇は、ていねいに原因を追っていけば、対応できることが多い変化です。「様子を見る」のか「踏み込んで調べる」のか、ご家族の価値観も含めて一緒に考えていきましょう。