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大型犬に多い「骨肉腫」。足の痛みをあきらめないために

「散歩で前足をかばうようになって、年のせいかと思っていました」「整形外科で骨肉腫(こつにくしゅ)と言われて、頭が真っ白に」。

大型犬のご家族から、ときどきいただくご相談です。

それは、進行が早いがんで、シニア期の大型犬では決して珍しくありません。けれど、選択肢は一つではありません。痛みをやわらげながら、その子らしい時間を支える方法があります。

大型犬

骨肉腫とはどんな病気?

骨にできる悪性腫瘍

骨肉腫は骨そのものから発生する悪性腫瘍です。前肢(特に肩や手首近く)、後肢(膝や足首近く)に多くみられます。

大型犬に多い

ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール、グレートデーン、セント・バーナードなどに多いとされます。中型犬以下でも発生はあります。

進行のスピード

発見時にすでに肺に転移していることもあり、進行のスピードは速い病気です。早めの診断と方針決定が大切です。

症状の現れ方

跛行(はこう:足を引きずる)

最初は軽い跛行で気づくことが多いです。痛みが強く、夜泣き・元気消失を伴うこともあります。

病的骨折

骨が腫瘍に蝕まれて、軽い動作で折れることがあります。

治療の選択肢

痛みのコントロール

骨肉腫の痛みは強いです。鎮痛薬の組み合わせ、緩和的な放射線治療、ビスホスホネート製剤などが選択肢になります。

断脚+抗がん剤

痛みを根本的に取り除き、生存期間を延ばす目的で行われる治療です。年齢・体格・他の関節の状態を踏まえて検討します。

緩和ケア中心の選択

ご家族の価値観、その子の体力次第では、痛みのケアを中心とした選択も尊重されるべきです。

当院でできること

当院は腫瘍科認定医Ⅰ種が在籍し、診断・治療方針のご相談から緩和ケアまでお受けしています。整形外科専門の先生との連携も含め、選択肢を整理してお話しします。

大型犬のご家族へ

体重の重さは、足の痛みに直結します。床材、寝床の硬さ、お散歩のコース。小さな工夫でも痛みのケアにつながります。

一緒に決めていきましょう

「治す」だけがゴールではありません。「最後まで歩かせてあげたい」「家族と過ごす時間を増やしたい」。ご家族の願いを軸に、一緒に方針を決めていきましょう。

南大沢どうぶつ病院 院長/日本獣医がん学会腫瘍科認定医Ⅰ種:保坂 創史

(八王子市・多摩市・南大沢エリアの動物病院)

南大沢どうぶつ病院院長保坂 創史
院長/日本獣医がん学会腫瘍科認定医Ⅰ種:保坂 創史