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手術だけが正解じゃない。がん治療における「緩和ケア」の選択

「もう手術は厳しいと言われて、何もしてあげられないのかと」「年齢的に積極的な治療は難しくて…」。がんと向き合うご家族から、ときどきいただく言葉です。涙を浮かべて、選択肢の少なさに肩を落とされる方も少なくありません。

けれど、お伝えしたいのは「手術だけが治療ではない」ということです。緩和(かんわ)ケアという、その子らしい時間を大切にする選択肢があります。

猫と飼主

緩和ケアとは

「何もしない」ではありません

緩和ケアは、痛みや苦しさをやわらげ、毎日を心地よく過ごしていただくための医療です。「治療をやめる」ではなく、「治す以外の目的で医療を使う」と考えてください。

がんと共存する選択

がんを取り切ることが難しい場合でも、痛み・吐き気・呼吸の苦しさ・食欲低下といった症状をコントロールすることで、その子らしい時間を伸ばすことができます。

どんなことをするの?

痛みのコントロール

鎮痛薬の組み合わせ、神経性の痛みに対するお薬、必要に応じて緩和的な放射線治療なども選択肢になります。

食欲・吐き気への対応

食欲増進剤、吐き気止め、腸の働きを整えるお薬で、食べる楽しみを保ちます。

お家でのケアの提案

寝床の工夫、トイレ環境、お散歩の長さや時間帯の調整など、生活面のアドバイスも大切な緩和ケアです。

緩和ケアを選ぶタイミング

初診の段階から

進行が早いがんや高齢の子では、診断のときから緩和ケアを並行することもあります。

治療と並走する形でも

抗がん剤や手術と並行して、つらさを取る目的で取り入れることもよくあります。「やる・やらない」の二択ではないのです。

当院でできること

当院は腫瘍科認定医Ⅰ種が在籍し、診断から積極的治療、緩和ケアまでを一貫してご提案できます。「うちの子に何ができるのか、何をしないでいるのが幸せか」を一緒に考えていきます。

ご家族の負担も含めて

緩和ケアは、ご家族の心の負担にも目を向けます。お別れの準備や、毎日の介護のなかで生まれる迷いも、おひとりで抱え込まないでいただきたいと思います。

一緒に決める医療

何をしてあげるのが正解なのかは、その子とご家族にしかわからない部分があります。私たちは選択肢を丁寧にお示しし、ご家族の決断を支えます。

南大沢どうぶつ病院 院長/日本獣医がん学会腫瘍科認定医Ⅰ種:保坂 創史

(八王子市・多摩市・南大沢エリアの動物病院)

南大沢どうぶつ病院院長保坂 創史
院長/日本獣医がん学会腫瘍科認定医Ⅰ種:保坂 創史